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最高裁判例 「他の者と共有、共用している印章は、名義人の印章ということはできないのであって・・。」

特別上告では、この最高裁判例を主張しませんでした。

30年以上前に、上告人が便宜上、良孝通帳を作成したので、良孝通帳と上告人通帳は、共通の三文判を登録していました。

ですから、一審・二審でも、「共通の銀行印である。」と、主張しました。

つまり、この判例で解釈すると、一審と二審の印鑑の名義人判断は、適法ではないと思われます。

昔は、振込詐欺等はなかったので、通帳は、誰でも簡単に、その場で、勝手な名義人名で、何度でも何冊でも作成できました。



★クリック→最高裁判例検索結果詳細画面

判示事項
 他の者と共有、共用しているいわゆる三文判と押印の推定

裁判要旨
私文書の作成名義人の印影が、名義人と他の者の共有、共用しているいわゆる三文判によつて顕出されたものであるときは、

右印影は、名義人の意思に基づいて顕出されたものと推定することはできない。



★クリック→最高裁第一小法廷 昭和50年6月12日判決 


   主    文
  
   本件上告を棄却する。
  
   上告費用は上告人の負担とする。

         理    由

 上告代理人上羽光男の上告理由について。
 
私文書の作成名義人の印影が当該名義人の印章によつて顕出されたものであるときは、

反証のないかぎり、

右印影は名義人の意思に基づいて顕出されたものと事実上推定されるところ
(最高裁昭和三九年(オ)第七一号同年五月一二日第三小法廷判決・民集一八巻四号五九七頁ほか参照)、

右にいう当該名義人の印章とは、印鑑登録をされている実印のみをさすものではないが、

当該名義人の印章であることを要し、

名義人が他の者と共有、共用している印章はこれに含まれないと解するのを相当とする。 

これを本件についてみると、原審の適法に確定した事実によれば、

「本件各修正申告書の上告人名下の印影を顕出した印章は、

上告人ら親子の家庭で用いられている通常のいわゆる三文判であり、

上告人のものと限つたものでない」というのであるから、

右印章を本件各申告書の名義人である上告人の印章ということはできないのであつて、

その印影が上告人の意思に基づいて顕出されたものとたやすく推定することは許されないといわなければならない。
 

しかしながら、原審の適法に確定した事実によると、

本件各申告書は、上告人よりその権限を与えられた上告人の母Dが

上告人のために作成したことが明らかであり、

右各申告書を上告人の意思に基づく真正の文書と認めた原審の認定判断は、

結局、正当として是認することができる。

それゆえ、論旨は採用することができない。
 
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

    最高裁判所第一小法廷

         裁判長裁判官    下   田   武   三
            裁判官    藤   林   益   三
            裁判官    岸       盛   一
            裁判官    岸   上   康   夫
            裁判官    団   藤   重   光
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